難聴や聴覚・視力障害があると、認知機能障害の要因とになるといわれています。
一般に聴覚障害といった場合には「聾」と「難聴」を含み、聾は補聴器などを使用しても聴覚を通して、音や音声の情報をうまく取り込むことができない状態にあります。
難聴には、伝音声難聴(小さな音が聞こえないだけで、言葉の明瞭さにはあまり影響がない状態)と感音性難聴(音が聞こえにくいだけでなく、音がゆがんだり響いたり、言葉がはっきり聞こえない状態)があり、高齢者では感音性難聴の一種である加齢性難聴(老人性難聴ともいう)が多いです。治療による改善は期待しにくいため、補聴器の適切な使用が勧められます。耳垢栓塞が難聴の原因になっている場合には、除去することで回復します。耳鳴りは、内耳の感覚細胞の障害によるが、高血圧や糖尿病などの全身疾患が原因のこともあります。
言語は、コミュニケーションと思考において必要不可欠な道具であり、言語発達の遅れをそのままにしておくと、コミュニケーションの障害や思考力の停滞を引き起こすことにつながります。
視覚障害は、高齢者によくみられるのは白内障です。加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病性網膜症も多いです。視覚障害の人たちの行動として、①周囲の様子を的確に把握するのが難しい、②言葉と事物や事象との対応関係を理解するのが難しい、③歩行などの行動に大きな制約を受ける、④視覚による模倣動作ができない、⑤平面的に描かれた凸線による絵なども理解しにくい、といった傾向がみられます。
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